
牛乳に含まれている主な栄養をご紹介します。
牛乳のエネルギー
- 牛乳200mlに含まれるエネルギーは138kcalと、一日の栄養所要量の8%未満であり、
成長期に必要な他の栄養素の摂取バランスを考慮にすれば、3歳の幼児でも一日に400mlは
とりたいもの。特に成長期の10歳代や運動をしている児童は400ml以上、毎日飲用の習慣が
必要になります。
家庭などでは、そのまま飲むだけでなく、コーヒーや紅茶、イチゴやバナナを入れるなどして飲む、
飽きのこない方法がおすすめです。また、ヨーグルトやチーズなどを食べても良いでしょう。
牛乳のたんぱく質
- たんぱく質は、体の中で水分の次に多く、筋肉や骨や皮膚などのさまざまな細胞、組織を作る材料になります。
また、食べ物の消化や、エネルギーを作る酵素、細菌などから体を守る免疫細胞、赤血球、神経細胞、
ホルモンなどの材料にもなります。
体を作るたんぱく質には、体内で合成できない必須アミノ酸が8種類(10種類ともいう)あり、必ず食事から
とらなければなりません。どれか一つでも少ないと一番少ない必須アミノ酸の量までしか体作りに利用できないのです。
牛乳・卵や肉・魚・豆・野菜などにはさまざまなアミノ酸が含まれています。特に牛乳には200mlあたり6.8gの
たんぱく質が含まれ、一日の栄養所要量の10%程度を摂取できます。中でも必須アミノ酸の含有バランスがよく、
卵についで良質なたんぱく質といわれています。日本人の主食は、精白米やパンなどの小麦の加工品が多いので、
必須アミノ酸のリジンが不足しがちです。リジンは魚のアジにも多く含まれますが、毎日の食事を考えると、不足を補うには
牛乳が適しているといえます。
牛乳のたんぱく質には、必須アミノ酸のほかにも健康に役立つものがあります。
●ラクトフェリン:
鉄の吸収を調節する働きをもち、貧血の予防になります。また免疫力を高める効果もあります。
●カゼイン・ホスホ・ペプチド(CPP):
小腸下部のカルシウムの吸収を助けます。牛乳のカルシウムの消化吸収が高い一因と言われています。
●オピオイド・ペプチド:
神経の興奮をしずめる鎮静作用をもち、眠りを誘うといわれています。
牛乳の脂質・コレステロール
- 乳脂肪は牛乳中で小さな粒子になっていますが、製造過程でさらに小さな脂肪球に分散されるので
表面積が大きく、消化酵素の働きを受けやすいので、消化吸収が良いのが特徴です。
そのため、幼児・児童、高齢者や病気治療中の人にとっては大切な脂質摂取源となります。
牛乳の脂質である乳脂肪分は200mlあたり成分無調整のもので7.8gで70kcalと牛乳全体の約半分の
エネルギーに相当しますが、脂溶性ビタミンのA・Kは脂質に溶けているので、これらの重要な供給源です。
さらに、コレステロールを気にする人もいるようですが牛乳200mlで25mgと少なく、バター、ヨーグルト、チーズも
一回に食べる量では気にするほどではありません。また、コレステロールは、細胞膜の構成に欠かせない成分ですし、
ホルモンなどの原料にもなるものなので、体内では一日あたり1,000〜1,500mgも作られています。そのため
一般成人では摂取基準が設けられていません。しかし、高コレステロール血症体質の人では一日300mg以下に
抑えることが望ましいとされています。
一方、乳脂肪中の共役リノール酸が、がんを強く抑制、抗肥満効果やアレルギー反応の軽減効果が明らかにされ、
最近注目を集めています。
牛乳の糖質(乳糖)
- 牛乳の乳固形分中で一番多いのが糖質です。そのうち99.8%が乳糖と呼ばれ、砂糖などと違って
甘味はほとんどありません。乳糖は体内で乳糖分解酵素(ラクターゼ)によってグルコース(ブドウ糖)と
ガラクトースに分解され、吸収されます。しかし、この分解の確率は低く、吸収速度が遅いため、そのほとんどが
腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌が乳酸や酢酸を分泌します。これらの酸はヨーグルトと同様に腸内の有害な
細菌の繁殖を抑える働きが認められています。
また乳糖は、カルシウムと鉄分の腸での吸収を高める働きも認められています。
ただ、日本の成人には、対内の乳糖分解酵素(ラクターゼ)の働きが弱い人がいます。
日本人の約10%前後がこういった人で、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり下痢をしたりします。こうした症状を
乳糖不耐症といい、多くの方の場合、牛乳を温めて、毎日少しづつ飲み、量を増やしていくとラクターゼが活性化して
きます。ヨーグルトはある程度乳糖を分解してありますし、チーズは製造過程で乳糖が少なくなっています。
乳糖をほとんど分解した「乳飲料」もあります。
牛乳に多く含まれるカルシウム
- 牛乳に多く含まれるミネラルのうち、特にカルシウムは日本人の場合摂取不足ぎみですが、体内の働きや生命にとって
欠かせないものなので、カルシウムの働きを中心にご紹介します。
カルシウムを多く含む食品は、牛乳・乳製品、魚介類、海藻(草)類、緑黄色野菜や大豆製品、ゴマなどが挙げられます。
日本の場合、火山灰土のため、もともと土壌にカルシウムが少なく、そこに育つ野菜や水などにもカルシウムが少ないため
カルシウムを十分に摂るためには工夫が必要になります。
そのためのポイントはカルシウムを多く含む食品だけに偏らずに、いろいろな食品からの摂取を心がけることです。
また、牛乳・乳製品にはカルシウムの吸収を高めるたんぱく質も含まれているので他の食品と組み合わせると効果的です。
学校給食のようにそのまま飲むだけでなく、温めても、コーヒー・紅茶やバナナ・イチゴなどを混ぜたり、温めても成分が
壊れにくいのでいろいろな楽しみ方で効果的にカルシウムを摂ることができます。